坐禅について

坐禅の手引書、「宇宙いっぱいの坐禅」(大道会発行)の中から、正身端座(しょうしんたんざ)のご紹介をします。
この手引書に初心者の方への坐禅の方法が細かく掲載されていますので、ご興味のある方はPDF版も合わせてご覧ください。


PDF版ダウンロード(11.7MB)
転用不可

なぜ坐禅をするのか

手引書「宇宙いっぱいの坐禅」より

私達の生活は心の中にある「貧(むさぼり)」「瞋(いかり)」「癡(おろかさ)」の三つの煩悩によって乱れているが、その乱れを調え清々しく生きて行くことが望ましい。身体を調え(調身)、呼吸を調え(調息)ていれば、いつも心が安らか(調心)であり、正しく物事を判断出来る。

坐禅そのものが真理である。真理を実行するということは具体的には坐ること・立つこと・歩くことであり、つまり臥することも入れて、あらゆる日常生活の動きが真理の展開である。

釈尊の人格に一歩でも近づくようにと心掛けた生活は、心安らかな、静かな、暖かい慈悲に満ちたものとなり、坐禅を行ずる事によって足元が寂光浄土、唯心浄土、極楽浄土に展開する。道元禅師は「坐禅せば自然によくなるなり」と説かれている。
今、すべての人間の思考を超越した真水(祗管打坐=宇宙いっぱいの坐禅)の教を勧めるゆえんである。


-坐禅 正身端坐-

入禅定時(坐禅を始める時)

①単に向かって合掌低頭
②坐蒲を180度回し奥に押す
③対面に向かって合掌低頭
④両手で支えて上る
⑤ 足をひく 横すわりも可
⑥スリッパをそろえる
⑦坐蒲を敷く
⑧坐蒲ごと身を転ずる
⑨面壁し結跏
 または半跏趺坐する

1.結跏(半跏)趺坐の作法(けっかふざ)

結跏趺坐
半跏趺坐

結跏趺坐は、右の足を左のももの上におき、左の足を右の腿の上におく。
半跏趺坐は、ただ左の足を右のももの上におく。
左右の膝と会陰(えいん/肛門の前)との三点で等しく重心をとって坐る。
腰を入れ顎をひく。頭のてっぺんで天井を持ち上げる気持ちで、背筋を真っすぐに伸ばす。


2.衣帯斉整法(えたいせいせいほう)

裸足になり、ゆったりとした衣を着る。しかし、腰ひもは強固にしめる方が疲れずに坐禅が出来る。


3.法界定印の法

結跏趺坐した左足の踏の上で、右手を下に左手を上に組み、両方の親指の先を向かい合わせ、付くか付かないかの紙一重とし、かつ臍(へそ)に対位して水平に保つ。


4.正身端坐の法

かならず両耳と両肩、鼻と臍(へそ)はそれぞれ垂直に相対すること。
舌の先は歯の裏の付け根に当て、息は鼻より通じること。口は閉じる。

5.開目法

視線を約1メートル前に落とす。即ち水平にした視線を45度下げる。目は張らず細めず一点を見つめず、はっきりとしていること。


6.鼻息の法

口を閉じ鼻で息をする。息は通ずるにまかせ、長からず短かからず、喘がず音を発せず、自然体で一息ごとに心をこめる。

7.欠起一息(かんきいっそく)

口を開き人工あくびの要領で数回(4,5回)深呼吸する。即ち肩で体を吊り上げ、腰に力を入れてからぐったり下げて、腹式で深く呼吸する。坐禅の深呼吸は、吐き出すことが先である。

①口を聞き大きく息を吐き出す
②肩で身体を吊り上げ腰に力を入れ、大きく息を眠い込む
③力を抜いて身体を前に倒しながら大きく息を吐き出す
④②に戻る

8.左右揺身

左右揺身は大より小に7~8 回、背骨を下から上に刺激するような気持ちで身体を左右に揺らせる。またねじり曲げもして、活発な身体の働きを得る。

 

 

 


出禅定時(坐禅を終える時)

放禅(坐禅をやめる)の合図があれば、ゆっくりと出禅定の動作をする。即ち欠気一息・左右揺身し、ゆっくりと足をほどき、身を転じて単より下りる。身を転ずる時は右回り(時計回り)とする。

①合掌する
②両手を返して膝の上に
③欠気一息する
④左右揺身
 最初は小さく
⑤左右揺身
 終りは大きく
⑥足をほどき
 坐蒲ごと身を転ず
⑦スリッパを出す
⑧下りる
⑨坐蒲を整える
⑩坐蒲の方に合掌低頭する
⑪身を転じて合掌低頭する
⑫住立思惟する