私達の本心は、あらゆる事象を正しく受け入れ、理解するだけの力を本来はちゃんともともと備えています。その力があちこちに散漫しているが為に、自ら混乱を招いてしまっています。しかし、観方を変えると、力があちこちへ散漫になっていることへの正しい反応として、心が働いているのであるから、心を本来在るべき処へ定めていくと、自ずからあちこちへ散漫してバラバラに散らばっていた力が、「一処」に止まるようになっていきます。それを正しい定、或いは「正念」といいます。
この世で起きる一切世間の出来事は、みな結局は生まれては消え去るものばかりです。
だからと言って、無意味ではありませんが、変化変滅するものに一喜一憂するのではなく、自己本来の心を定めて法相(ものごとに共通する本質)を観て、物の世界に振り回され、心身に追い回される在り方から出て、心身を使って豊かな人生を創造する歩みへと変革させて頂きましょう。
お釈迦さまや道元禅師がそれらを実現された覚者であり証人です。嗚呼、有難し有難し。
常に正に一心に勤めて出道を求むべし
一切世間の動不動の相は、みな是れ敗壞不安の相なり
もし心を摂むる者は、心則ち定に在り
心定に在るが故に、能く世間生滅の法相を知る
この故に汝等常にまさに精進して諸々の定を修すべし
道元禅師 正法眼蔵 八大人覚之巻



